2022/10/09~頒布の新刊「竜喰」にねじこんだ小話「終わりの始まり」のワンシーンです
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「パーティーに入りたいだぁ?しっしっ、俺たちは二人でやってんだ。」
「あと二人分の枠はもう埋まってるの。他所をあたって頂戴。」
かつて、自分たちよりも幼い子供だけのパーティに言われた言葉は、ずっと胸に残っていた。
だからこそ、この広い世界であろうとも必ず追いついて、必ず、「パーティに入れてください」と言わせるのだと─────────────大人げなく、ムキになっていた。
彼らは、彼らこそが、王者の剣と共にエデンのドラゴンを駆逐しえたパーティだった。
最後の竜を倒したときに彼らはやっと気付くのかもしれない。自分たちに発破をかけた少年たちの結末を。
────────────────だが、それはまだ随分と先の話。
今はまだ、修行に明け暮れる二人なのだった。
2022-10-09 02:18:39 +0000