私の事情も、貴方の具合も、本当に理解し合うことは出来ないんだ。
**
この絵について色々興味をもって想像いただけて嬉しいです!
以下描いたときの妄想です。この絵は何を意味しているのか気になった方はご覧ください。
左の子は無機物の体、右の子は有機物の体を持っていますが、表面上はよく似た姿です。レントゲンのようなモニタに映る"Hum-xxx"のナンバリングの通り、同じベースで別の方向性に作られています。
左の子は破損という形で、右の子は黒いモヤとして異常が目視できます。2人が「心臓部が痛い」と言った時、もしこのような機械で体の中を見れるなら、異常の原因も対処法も明確になるでしょう。
だけどそれは、そんなふうに目に見える症状だけです。もし2人が「心が痛い」と言ったら、そして2人とも生身の人だったら、それぞれの処方箋は厳密にはわからなくなるでしょう。透かしてみることはできませんし数値でも明確にはわかりません。人間同士の苦しみは、たとえどんなに似ているように思えても同じとは限らないのです。この絵の2人のように、互いの内側に持つ事情も、苦しみの具合も、見えるものではないのですから。
人の痛みに共感したり、対処法を勧めたくなることがあります。相手に寄り添いたいと思うことは尊いと思う一方で、それでも相手と自分が違う人間であることを理解しておかないと、本当に相手に寄り添ったり励ましたりすることはできないんだろうとも思います。
これがこの絵の内容です。美術館での見方が人それぞれのように、絵の捉え方は見る方の経験や考えによってさまざまなのだとおもいます。私の考えすべてに理解をする必要はなく、でもこの絵を見た方の心になにか残るものがあれば嬉しいと思います。
ここまでご覧くださりありがとうございました!
2022-10-03 14:38:57 +0000