その教会の地下室は、
昼は紙芝居を披露する憩いの場、
夜はキャバレーと化す。
舞台は華やかな女優が
歌い、踊り、
様々な芸能を披露する。
観客たちは、
シスターが置いていった
菓子を飲み食いしながらそれを楽しむ。
かつては人の子だった「魔物」は目を輝かせる。
気に入らなければ、呪をかけるだろう。
目の肥えた死者たちは、墓石から鋭く見つめる。
気に入らなければ、血肉を剥ぐだろう。
今宵の女優は苛烈で可憐、繊細でいて大胆なスター。
拍手喝采が沸き立つ。
彼女の異色な才能に眠れる王は呼び起こされ、
指輪を口にくわえては口付けをせまる。
2022-09-16 11:27:15 +0000