「ふー……なんとか間に合ったな。君、怪我はないか?」
先ほどまでの鋭い眼光は影を潜め、騎士は少女を安心させるように優しくにこっと微笑んだ。
その瞬間、とくんと心臓が鳴るのが分かった。
(――なんだろう、これ。体の内側からぽかぽかするような)
暖かな春の草原を思わせるその瞳に、ヴァルダは釘付けになってしまった。まるで太陽に照らされたかのように胸の奥からぬくもりが広がり、なにかが芽吹いていく感覚があった。
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二ヶ月前の小説の挿絵用に今さらアップしました。
誰がなんと言おうと若かりし頃のふたりです。
絶対に「誰???」とか言うなよ!いいな!絶対だぞ!
需要は無さそうな小説もよろしければどうぞ~
【過去編】一章:ヴァルダとリチャード(前編)
novel/17884059
2022-09-03 17:00:00 +0000