機嫌を直すため

Dap

SSもあったりしちゃう

エリーの機嫌が悪い

自室に行くため暗く静かになった廊下を1人で歩いているなかずっとエリーの事を考えていた
自室に入ると、ソファーに丸くなったエリーがいた
まだ拗ねているのだろうか?
エリー、名前を呼んでも見てくれない。
私と2人だけの今なんとか機嫌を直してもらいたい。
隣に腰を掛け話をしよう、そうするしかない。
むすっとした横顔はまだ私を許してくれていない様だ。
静かになった空間で自然音だけが妙に耳に入る。
「明日の為にも機嫌を直してくれないか」
またむすっと、顔を膝に埋めた。
私はムキになった。
両頬を手で抑え目線を合わさせ、多少強引にでもと思ったがエリーの顔を見て後悔した。
不安、悲しんでいるようにも見える。
拗ねたあの時から顔を見たのは今が初めて
こんな表情に、気持ちにさせてしまったのか。
部隊の事も明日の事も確かに大切だ、まだもっと大切なものに気がついていなかった。
「すまない、エリーの気持ちも考えるべきだったと思う、大切な歌だったものな」
呼吸が聞こえる、静かで正常な呼吸の音。
その前はどうだっただろうか、正常だったろうか、私は余りにも自分勝手だった。
謝った私を見てかエリーは私の頬に触れた、少し呆気に取られた。
舞台でされるよりも少し驚いた。
「私も自分勝手だったと思う。ごめんね」
少し慌てたようにそそくさと彼女はまた丸くなる。
気持ちというものは繊細で、脆いものなのかもしれない。
「私達の歌、人々にみんなに届くと良いね。」
また少し目が合い穏やかな空気が流れた。
顔の力が抜け、ジニーに笑っていたと言われた時みたいだ。
顔をまた埋めたと思ったら、突然丸くなるのをやめソファーから立ち背中を見せた。
「まだ、納得できなーい」
許してくれていなかったのだ。
「そうか、私にどうして欲しい?不甲斐ない私に教えてくれ」
なりふりは構わない、教えを問うと横目に私を見てエリーはこう言った。
「抱いて」

「エ、エリー、?本当にこんな事で良いのか?」
背中を抱きしめていた、舞台でもやっていた事が望んだ事だった、わからない。
表情を見たかったでもそっぽ向くものだから見れない。
理由を問いても教えてくれない。
「これでいいのー!良いの、このままで!」
人の気持ちがまだ完全に理解しきれていない事に、不甲斐なさを感じる。
わかるのはエリーの体温がとても暖かい事くらいだった。

#Eleonore Giovanna Gassion#Aira Paivikki Linnamaa#Luminous Witches

2022-08-13 06:42:26 +0000